ご本人が休職されると、そばにいる方にも同じだけ不安が来ます。 いつまで続くのか、お金は足りるのか、自分は何をすればいいのか。
ここでは、そのうちお金と制度のことだけをお伝えします。 接し方や治療については、医師でも心理職でもないので書きません。
まず、お金の話から
いちばん先に見通しが立つのがここです。そして、思っているより手取りは減ります。
| 傷病手当金は満額ではありません | 給与のおよそ3分の2です。しかも「月給」ではなく標準報酬月額がもとになるため、 残業代の多い方ほど下がり幅が大きくなります |
|---|---|
| 社会保険料は止まりません | 健康保険料も厚生年金保険料も、休職中も同じ額がかかります。 給与から引けないぶん、会社へ振り込むことになるのが一般的です |
| 住民税は翌年に来ます | 前年の収入にかかるため、収入が減った年の翌年に、稼いでいた年の額が請求されます |
| 最初の入金まで2〜3か月あきます | 申請してから審査を経るためです。有給を使い切ってから初回の振込までのあいだ、 収入がゼロになる期間ができます |
お金を整理するで、9つの質問に答えると、 毎月いくら足りないかと、貯金があと何か月もつかが月数で出ます。
ご本人が答えられる状態でなければ、ご家族が入れても構いません。 必要なのは、年齢、勤務先の都道府県、月給、去年の年収、休職開始日、有給の残り、貯金、毎月の生活費です。 登録は要りませんし、入力した内容は端末から出ません。
期限のあるものが、いくつかあります
制度には、過ぎると取り返せない期限があります。ご本人が動けないときは、ここだけ見ておいてください。
- 退職日に出勤しない。挨拶や私物の引き取りでも、出勤扱いになると退職後の傷病手当金が受け取れなくなります
- 任意継続は退職の翌日から20日以内。1日過ぎると選べなくなります
- 失業給付の受給期間の延長。手続きをしないと、体調が戻ったころには期限が切れています
- 傷病手当金の時効は2年。しかも1日ずつ消えていきます
やることと期限に休職開始日を入れると、これらが日付で並びます。 カレンダーに書き出せるので、ご本人の代わりにご家族が持っておくこともできます。
時間は、思っているよりかかります
傷病手当金が支給されるのは、通算で1年6か月です。この長さが、制度が想定している療養期間の目安になります。
会社の就業規則で決まっている休職期間は、それとは別に設定されています。 会社の期間のほうが短い場合、期間が満了すると退職になる定めが多くあります。 いつが期限なのかは、就業規則で確認できます。
これからの話は、まだ早いかもしれません
2024年に、うつ病を経験された3名にお話を伺いました。そのとき全員が同じことを言われました。
不調のさなかに未来の話をされるのは、逆効果になることがあります。
「これからどうするの」「いつ戻れそう?」は、心配から出る言葉です。 ただ、判断する力がまだ戻っていない時期には、答えられない問いになります。 答えられないこと自体が、さらに負担になります。
回復してくると、今度は本人の側から未来の不安が出てきます。順番があります。
このサイトのこれからを考えるも、 「これからのことを考えるのはまだ重い」と答えられた場合には、選択肢を並べるのをやめる作りにしています。 並べること自体が負担になるためです。
決めるのは、ご本人です
お金の見通しが立つと、次は「どうするか」を決める段階になります。 ここでご家族が先に答えを出してしまうと、あとで戻れなくなることがあります。
復職するか、異動を希望するか、いま決めないか、別の場所を探すか。 どれも本人の生活と体調に直結する選択で、納得していない決定は続きません。
できるのは、判断の材料を一緒に見ることまでです。 お金の計算をして残り月数を出す、期限を一覧にする、制度を調べる。ここまではご家族にもできます。
ご家族も、相談していい
見落とされがちですが、ご家族からの相談を受け付けている窓口があります。 ご本人の同席がなくても相談できます。
| 精神保健福祉センター | 各都道府県・政令指定都市に設置。ご家族からのこころの健康相談を受け付けています。無料です |
|---|---|
| 保健所・保健センター | お住まいの地域の窓口です。家族教室や家族会を開いているところもあります |
| 家族会 | 同じ立場の方が集まる会です。病院ごと、保健所ごと、地域ごとにあり、 全国では約1,200の家族会があるとされています |
| 産業保健総合支援センター | 勤務先とのやりとりで困っている場合。各都道府県にあり、無料です |
相談できるところに、連絡先と何ができるかをまとめています。 いま載せているのは、すべて無料で使える公的な窓口です。
ご本人にも、ご家族にも使えます。
ご自身のことも
支える側にも負担がかかります。収入が減り、家事が増え、先が見えない。 それが何か月も続くと、支える側が先に倒れることがあります。
できないことは、上の窓口に相談してください。
このページから行けるところ
お金を整理する毎月いくら足りないか、貯金があと何か月もつか やることと期限過ぎると取り返せない手続きを、日付で並べる 相談できるところご家族も使える、無料の公的な窓口 休職ガイド制度の解説36本。出典と確認日つきこのページに書いたのは、制度とお金のことと、これまでに伺ったお話から分かっていることです。 症状や治療、接し方については、主治医や上の窓口にご相談ください。 このサイトは診断も治療の助言も行いません。