時効は2年。数え方が特殊です
傷病手当金を受け取る権利は、2年で時効になります。ここまではよく知られています。
見落とされやすいのは数え方です。傷病手当金は働けなかった1日ごとに権利が発生すると考えられており、 時効もその日ごとに、翌日から2年と数えます。
つまり「休職から2年経ったら全部だめ」ではなく、古い日から順に、1日ずつ消えていきます。
令和4年9月1日から9月30日までの労務不能期間について、令和6年9月15日に請求した場合。
9月1日から9月14日までの分は、時効が完成しているため支給されません。 9月15日以降の分だけが支給されます。
2週間の差で、半月分が消えたことになります。
なぜ遅れるのか
体調が重い時期に、申請書を用意して、会社に回して、医師に書いてもらう。この一連の作業自体が負担です。 「落ち着いてからまとめて出そう」と考えるのは自然なことです。
ただ、その判断がいちばん多くの日数を失わせます。まとめて出すほど、古い分から時効が完成していきます。
先に出せる部分だけでも出す
申請は1か月分ずつでなくてもできます。区切りをどこに置くかは、加入している健康保険に確認できます。 「まず古い分だけ先に出す」という進め方も相談できます。
- 医師の記入は、通院時にまとめて依頼できることがあります
- 会社の記入欄は、退職後の期間については不要になります
- 用紙は健康保険のサイトから入手できます
いまが2年目に近い場合
休職から1年半以上経っていて、まだ申請していない期間がある場合は、日数の勝負になります。 何日分が残っているかを確認するところから始めてください。
体調が重くて動けない場合、家族に代わりに進めてもらうこともできます。 提出そのものは本人でなくても構わないか、加入先の健康保険に確認してください。
出産手当金の時効も、同様に日ごとに起算されます。あわせて未請求の期間がないか確認してください。
ここに書いた内容は一般的な説明です。実際の取り扱いは、加入している健康保険、勤務先の就業規則、 お住まいの自治体によって異なります。ご自身のケースは、必ずそれぞれの窓口にご確認ください。
出典
- 厚生労働省「傷病手当金及び出産手当金の請求権消滅時効の起算日について」(昭和30年9月7日保険発第199-2号/mhlw.go.jp)
- 厚生労働省「健康保険法等の一部を改正する法律による改正内容の一部に関するQ&A」(令和3年12月27日事務連絡/mhlw.go.jp)
- 健康保険法第193条(時効)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「健康保険給付の時効」(kyoukaikenpo.or.jp)
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