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傷病手当金をもらうと、家族の扶養に入れますか

「非課税だから収入に入らない」と考えると、ここでつまずきます。税金と社会保険で、扱いが正反対です。

短く言うと

  • 社会保険の扶養では、傷病手当金も収入に数えます。税金の扶養とは逆です
  • 分かれ目は日額3,611円。標準報酬月額でおよそ16万円にあたります
  • 見るのはこれから1年の見込み。去年の収入ではありません
最終確認日:2026-08-25カテゴリ:休職ガイド

税金の扶養と、社会保険の扶養は別物です

「扶養」という言葉は、2つの制度で別々に使われています。傷病手当金の扱いは、両者で逆になります。

税金の扶養
(配偶者控除・扶養控除)
傷病手当金は所得に数えません。非課税のため
社会保険の扶養
(健康保険の被扶養者)
傷病手当金も収入に数えます

日本年金機構は、社会保険の扶養について次のように書いています。

被扶養者の収入には、雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれます。

つまり、配偶者の年末調整では控除の対象になるのに、配偶者の健康保険には入れないということが起こります。

基準日額3,611円以下年間130万円を360で割った額です
数えるもの傷病手当金も収入失業等給付・公的年金も含みます
見る期間これから1年過去の収入ではなく、認定日以降の見込み額
同居のとき扶養する人の半分未満別居なら仕送り額より少ないこと

分かれ目は、日額3,611円です

収入の基準は年間130万円未満ですが、傷病手当金のように日ごとに出るものは日額で見ます。

給与などの収入月額108,333円以下
雇用保険等の受給者日額3,611円以下

傷病手当金の日額は、標準報酬月額の平均のおよそ3分の2を30で割った額です。 日額3,611円は、標準報酬月額でおよそ16万円にあたります。 これを超えていると、扶養には入れません。

ご自身の日額は傷病手当金は、いくらもらえますかで計算できます。

「年間収入」は、これからの見込みで見ます

去年いくら稼いだかではありません。日本年金機構は、こう定めています。

過去の収入のことではなく、被扶養者に該当する時点および認定された日以降の年間の見込み収入額

ここが効きます。休職して傷病手当金だけになった時点から先を見るので、 その年の前半に働いて収入があっても、それは判定に入りません。

逆に、傷病手当金が終わった後に扶養へ入る場合も、その時点から先の見込みで判断されます。

金額のほかに、もう1つ条件があります

同居している場合収入が扶養する人の収入の半分未満であること
別居している場合収入が扶養する人からの仕送り額より少ないこと

日本年金機構は、半分以上であっても、扶養する人の年間収入を上回らず、生計維持の中心的役割を果たしていると認められる場合は被扶養者となることがある、としています。

年齢によって基準額が変わります

原則年間収入130万円未満
60歳以上、または障害者年間収入180万円未満
19歳以上23歳未満年間収入150万円未満(認定日が令和7年10月1日以降)

退職後は、順番で考えます

退職して傷病手当金を受け続ける場合、日額が3,611円を超えているうちは扶養に入れません。 その間の健康保険は、任意継続か国民健康保険を選ぶことになります。

任意継続と国民健康保険、どちらが安いですか

手当金が終わってから扶養に入る、という順番になることが多いところです。 ただし失業給付を受け始めると、今度はその日額で判定されます。 失業給付も収入に含まれるためです。

手当金と失業給付の順番は傷病手当金と失業給付、どちらを先に使いますかに整理しました。

判断するのは、加入先の健康保険です

ここに書いたのは協会けんぽ(日本年金機構が事務を扱う範囲)の基準です。 健康保険組合は独自の基準を設けていることがあります。

扶養に入れるかどうかは、入る先の健康保険に確認するのが確実です。 配偶者の勤務先の人事または健康保険組合が窓口になります。

確認してください

ここに書いた内容は一般的な説明です。実際の取り扱いは、加入している健康保険、勤務先の就業規則、お住まいの自治体によって異なります。ご自身のケースは、必ずそれぞれの窓口にご確認ください。

出典

  • 日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき」(nenkin.go.jp)
  • 日本年金機構「被扶養者とは?」(nenkin.go.jp)
  • 健康保険法第3条第7項(被扶養者の範囲)