原因を自分に求めると、行き止まりになります
休職された方の多くが、最初に「自分が弱かったから」「甘えていたのかもしれない」と考えます。
この考え方の困るところは、次にどうすればいいかが出てこないことです。 「もっと強くなる」は行動になりません。そして同じ条件の職場を選んでも、それが同じ条件だと気づけません。
ここでは、原因を性格ではなく環境の条件に分けて見ます。責任の話ではなく、次の判断材料をつくるためです。
4つの軸で見る
厚生労働省のストレスチェック制度で使われている職業性ストレス簡易調査票は、 職場のストレス要因を次の4つの軸で捉えています。
| 仕事の量的負担 | 量が多い、時間内に終わらない、常に急いでいる |
|---|---|
| 仕事のコントロール | 自分のペースで進められない、順番を決められない、意見が反映されない |
| 上司の支援 | 困ったときに相談できない、話を聞いてもらえない |
| 同僚の支援 | 周りに頼れない、孤立している |
この4つは独立していません。量が多いことそのものより、量が多いのに自分で調整できないことのほうが負荷になると考えられています。 「忙しかったから」では説明が足りず、「忙しさを自分で動かせなかったから」まで見ると、次に確認する条件が変わります。
ここに書いたのは、職場の条件を整理するための枠組みです。 不調の医学的な原因を特定するものではなく、そのための道具でもありません。
ご自身の状態については主治医に、職場の状況については産業医にご相談ください。
もう1つの軸:割に合っていたか
労働の研究では、かけた努力に、返ってくるものが釣り合っているかという見方もされます。 かけた労力に対して、報酬・評価・承認・雇用の安定が見合わないと感じる状態が続くと、負荷になるという考え方です。
「仕事の量は普通だったのに、なぜかつらかった」という場合、こちらの軸が効いていることがあります。 評価の基準が不透明だった、成果が誰の手柄になるか分からなかった、昇給の見通しがなかった。心当たりがあれば、そこは次に確認する項目になります。
書き出してみる
紙でも、スマートフォンのメモでも構いません。次の順で1行ずつ書きます。
- いちばんつらかった場面を1つ思い出す
- そのとき、量・裁量・上司・同僚のどれが効いていたか
- それは自分で動かせるものだったか、動かせないものだったか
- 次の場所では、それをどう確かめられるか
4つ目まで行くと、面談で聞く質問の形になります。 「もう無理したくない」を、確認できる条件に変えるで、変換の仕方を並べています。
当時の場面を思い返すことが負担になる時期があります。 いま整理しても、判断の材料としては使えません。時間が経ってからのほうが、正確に見えます。
会社の側にも見る責任があります
労働者が50人以上いる事業場では、年1回のストレスチェックの実施が事業者に義務づけられています。 集団分析を行っている職場であれば、部署ごとの傾向が出ています。
復職の面談で「あの部署のストレスチェックの結果はどうでしたか」と聞くことはできます。 自分の感覚だけでなく、数字として出ている場合があります。
ここに書いた内容は一般的な説明です。実際の取り扱いは、加入している健康保険、勤務先の就業規則、 お住まいの自治体によって異なります。ご自身のケースは、必ずそれぞれの窓口にご確認ください。
出典
- 厚生労働省「ストレスチェック制度 導入マニュアル」(mhlw.go.jp)
- 厚生労働省「職業性ストレス簡易調査票」/仕事のストレス判定図(mhlw.go.jp)
- 労働安全衛生法第66条の10(心理的な負担の程度を把握するための検査等)
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