順番を逆にしない
回復の途中で「そろそろ動かないと」と感じる時期が来ます。 その焦りの出どころは、多くの場合お金の見通しが立っていないことです。
あと何か月分あるのかが分からないと、常に「もう時間がない」と感じます。 逆に、あと8か月あると分かっていれば、同じ状況でも判断が変わります。
時期を決める前に、残り時間を数えてください。順番が逆になると、体調ではなく不安で時期を決めることになります。
お金を整理するで、貯金と傷病手当金があと何か月もつかが月数で出ます。
未来の話が負担になる時期があります
体調が戻りきらないうちに「これからどうする」を考えると、たいてい逆効果になります。 判断の材料が集まらないまま、不安だけが増えるためです。
このサイトのこれからを考えるでも、 「これからのことを考えるのはまだ重い」と答えられた場合には、選択肢を並べるのをやめる作りにしています。 並べること自体が負担になるからです。
目安になるもの
「何か月経ったら動く」という一律の基準はありません。代わりに、次のようなものが目安になります。
| 生活リズム | 決まった時間に起きて、日中に活動できる状態が続いているか |
|---|---|
| 外出 | 通勤と同じ時間帯に、同じくらいの時間、外にいられるか |
| 集中の持続 | まとまった時間、読んだり書いたりできるか |
| 主治医の見立て | 就業が可能な段階にあると判断されているか |
4つ目が最も重要です。ご自身の感覚と、主治医の見立てがずれることは珍しくありません。 「もう大丈夫だと思う」と感じている時期に、まだ早いと言われることも、その逆もあります。
主治医が就業可能と判断しても、それがそのまま復職の決定にはなりません。 会社は産業医の意見をふまえて、就業上の措置を判断します。見ているものが違うためです。
主治医は治療の観点から、産業医は職場で安全に働けるかという観点から見ています。 どちらが正しいという話ではなく、両方を通す必要があるということです。
準備の負荷には差があります
同じ「動き出す」でも、必要な余力はかなり違います。軽いものから順に置くと、次のようになります。
- 制度を調べる、お金を計算する(負荷 低。数字を入れるだけ)
- 何がつらかったかを書き出す(負荷 低〜中。思い出す作業が入ります)
- 人事や産業医に制度を確認する(負荷 中。聞くだけで済みます)
- リワークや就労移行支援に相談する(負荷 中。通い始める前に、話を聞くだけでもできます)
- 職務経歴を整理する(負荷 中〜高。まとまった集中が要ります)
- 選考を受ける(負荷 高。日程が相手の都合で動きます)
1つ目は体調がどの段階でもできて、焦りをいちばん減らします。
期限がある場合
就業規則の休職期間や、傷病手当金の通算1年6か月には終わりがあります。 期限が近い場合は、体調だけで決められないこともあります。
その場合も、まずいつが期限なのかを正確に把握するところからです。 思っていたより余裕があることも、逆に短いこともあります。
「いま決めない」は、決められないことではありません。判断材料が揃っていない段階で決めるほうが、あとで大きくやり直すことになります。
決めないでいられる期間がどのくらいあるのかを把握しておけば、それは待つという選択になります。
ここに書いた内容は一般的な説明です。実際の取り扱いは、加入している健康保険、勤務先の就業規則、 お住まいの自治体によって異なります。ご自身のケースは、必ずそれぞれの窓口にご確認ください。
出典
- 厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(mhlw.go.jp)
- 厚生労働省「こころの耳」働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(kokoro.mhlw.go.jp)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」(kyoukaikenpo.or.jp)
このページから行けるところ
このサイトが使っている数値 制度の数値の出典と確認日、次の改定時期 相談できるところ 無料で使える公的な窓口を15件 やることと期限 この記事に出てくる期限を、自分の日付で並べる 会社に伝える 休職・復職・退職を伝えるときの下書き 言葉の意味 制度の言葉を45語、短い説明つきで 近くにいる方へ 家族やパートナーに読んでもらうためのページ休職を経験され、そのあとの経過を共有してもよいという方を探しています。 当事者の記録について
