試し出勤には、決まった形がありません
試し出勤、リハビリ出勤、慣らし勤務。呼び方はいろいろありますが、 これらは法律で定められた制度ではありません。会社が就業規則や運用で独自に決めているものです。
そのため「試し出勤中はこうなる」という全国共通の答えがありません。 就業規則を確認するか、人事に聞くのが確実です。
分かれ目は「賃金が出るかどうか」
扱いが大きく分かれるのは、その期間がまだ休職中なのか、もう復職しているのかという点です。
| 休職中の位置づけ (賃金なし) | 療養の一環として扱われます。労務不能の状態が続いていると認められれば、傷病手当金は引き続き支給されます。 |
|---|---|
| 休職中の位置づけ (賃金あり) | 支払われた賃金の分だけ調整されます。賃金が傷病手当金より少ない場合は、その差額が支給されます。 |
| 復職の位置づけ | 労務可能とみなされるため、傷病手当金は止まります。短時間勤務でも同じです。 |
3つ目がいちばん注意が必要です。短時間勤務で給与が半分になっても、傷病手当金は半分は出ません。ゼロになります。
試し出勤を打診されたら、始める前に人事へ次の3つを聞いてください。
- この期間は、休職中の扱いですか。それとも復職後ですか。
- 賃金は出ますか。出る場合、いくらですか。
- 傷病手当金の申請書に、会社はどう記入する予定ですか。
3つ目が重要です。申請書の「賃金を支払ったかどうか」の欄をどう書くかで、支給の可否が決まります。
手取りがいちばん苦しくなる時期
短時間勤務で復職すると、給与は減ります。ところが社会保険料はすぐには下がりません。
保険料は休職前の標準報酬月額をもとに計算され続けます。下がるのは早くても4か月目からです。 つまり復職直後の3か月は、減った給与から、休職前の水準の保険料が引かれます。
傷病手当金も止まっているため、この3か月が家計としては底になることがあります。 復職の時期を決めるときは、ここを見込んでおいてください。
焦って復職の位置づけにしないこと
「早く戻りたい」という気持ちから、短時間でも復職扱いにしてもらうことがあります。 ただし一度復職すると、傷病手当金は止まります。再び休むことになった場合、 支給を受け直せるかどうかは、通算期間の残りと同一傷病かどうかの判断によります。
ここに書いた内容は一般的な説明です。実際の取り扱いは、加入している健康保険、勤務先の就業規則、 お住まいの自治体によって異なります。ご自身のケースは、必ずそれぞれの窓口にご確認ください。
出典
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」給与の支払いがある場合の調整(kyoukaikenpo.or.jp)
- 厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(mhlw.go.jp)
- 健康保険法第108条(報酬との調整)
- 勤務先の就業規則・休職規程
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