室内の照明では足りません
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2024年2月策定)の記述です。
起床後に朝日の強い光を浴びることで体内時計はリセットされ睡眠・覚醒リズムが整い、脳の覚醒度は上昇します。 (中略)これらの効果は1,000ルクス以上の照度の光を日中に浴びることで得られます。
1,000ルクスは、室内の照明ではふつう届きません。曇りの日でも屋外はこれを大きく超えます。 「外に出る」と「窓際にいる」で扱いが変わるのは、この照度が理由です。
ガイドは「朝目覚めたら部屋に朝日を取り入れ、日中はできるだけ日光を浴びるように心がける」と書いています。 歩くこととは別に、光を浴びること自体が項目として立っています。
メラトニンは、寝る2時間前から出ます
就寝の約2時間前からメラトニンの分泌が始まります。それ以降に照明やスマートフォンの強い光を浴びると 分泌が抑えられ、寝つきが遅くなると報告されています。
寝室にスマートフォンやタブレットを持ち込まず、できるだけ暗くして寝ることが良い睡眠につながる、とも書かれています。
6時間以上。ただし個人差があります
成人版の推奨事項は次の3つです。
- 適正な睡眠時間には個人差があるが、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する
- 食生活や運動等の生活習慣や寝室の睡眠環境等を見直して、睡眠休養感を高める
- 睡眠の不調・睡眠休養感の低下がある場合は、生活習慣等の改善を図ることが重要であるが、病気が潜んでいる可能性にも留意する
睡眠休養感とは「睡眠で休養がとれている感覚」のことです。 ガイドは、睡眠休養感の低下が、寝つきの悪さや中途覚醒とは独立して、うつ病発症と関連することが示されている、と記載しています。 時間だけでなく、休めた感じがあるかどうかが別の指標として扱われています。
休日の寝だめは、逆に効きます
ガイドは休日の寝だめを社会的時差ボケ(ソーシャル・ジェットラグ)として扱い、 毎週末に時差地域への旅行を繰り返すことに類似している、と説明しています。
示されている数字は次のとおりです。
- 平日6時間以上寝ている人に限り、休日の1時間程度の寝だめは寿命短縮リスクを低下させる
- 平日6時間未満の人は、休日に寝だめをしても寿命短縮リスクが有意に高まる
- 平日6時間以上寝ていても、休日に2時間以上の寝だめ習慣がある人は、寿命短縮リスクが軽減されない
休職中は平日と休日の区別が消えます。そのぶん、起床時刻を一定にすること自体が難しくなります。 ここは「気持ちの強さ」ではなく、光と時刻の話として扱えます。
眠れないときは、寝床を出る
なかなか寝つけないときは、一旦寝床を離れ、寝床以外の静かで暗めの安心感が得られる場所で、 眠気が訪れるまで安静状態で過ごし、眠気が訪れてから寝床に戻りましょう。
横になって眠ろうとし続けることが、そのまま推奨されているわけではありません。
効く方法は、人によって違います
瞑想、静かに行うヨガ、腹式呼吸、筋弛緩法、音楽、アロマ。ガイドはこれらに触れたうえで、次のように書いています。
注意すべきは、全ての人に効果が保証されたリラクゼーション法はないということです。 ある人に極めて有効な方法でも、他の人にはむしろ興奮を促し、眠りを妨げる可能性もあります。
この一文は、サウナや整体をどう扱うかの基準にもなります。 サウナ・温泉と、入浴のリラックス効果
記録は、復職面談で使えます
起床時刻と外出の有無は、復職の可否を判断する場面で確認されることがあります。 そのため記録は、達成の証明ではなく面談に持っていく材料として扱えます。
できた日だけを残すと、波の大きさが伝わりません。動けなかった日も同じ材料です。
ここは治療のページではありません。体調そのものの判断と、いつから何を始めるかは主治医の領域です。服薬中に気をつけることは、処方元か薬局の薬剤師にご確認ください。
出典
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2024年2月策定・mhlw.go.jp)
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」成人版推奨事項/良質な睡眠のための環境づくりについて
- 主治医、および勤務先の産業医
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