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サウナ・温泉と、入浴のリラックス効果

入浴は、入る時刻まで決まっています。サウナは同じ資料に一度も出てきません。両方そのまま書きます。

根拠の強さ:研究の報告がある査読を経た研究があります。観察研究が中心で、因果関係まで示すものではありません

短く言うと

  • 入浴は副交感神経が優位になり、心身の緊張がゆるむ。国の資料にそう書かれています
  • 入るのは就寝の1〜2時間前。ただし熱すぎると逆効果です
  • サウナは国の資料に出てきませんが、24.9年追跡した研究の報告があります
最終確認日:2026-08-25カテゴリ:メンタルヘルスを考える
入浴の時刻寝る1〜2時間前入浴後の熱放散が入眠を促します
湯温高すぎない交感神経が上がって、かえって寝つきが悪くなります
サウナの事故78件消費者庁に登録された事故情報(2024年4月末時点・受傷者82人)

入るのは、寝る1〜2時間前

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の記述です。

寝室は暑すぎず寒すぎない温度で、就寝の約1〜2時間前に入浴し身体を温めてから寝床に入ると入眠しやすくなる。

理由も書かれています。入浴で手足の末梢血管からの放熱が促進されて深部体温が低下し、入眠が促進される。 加えて副交感神経が優位となり、心身の緊張を緩和する効果があると考えられている、という説明です。

就寝の1〜2時間前という時間帯が、根拠のある部分です。寝る直前ではありません。

ただし、熱すぎると逆に働きます

同じガイドのQ&Aに、次のやりとりがあります。

Q 冬はからだが冷えるので、熱い風呂に長く浸かるようにしていますが、問題ないでしょうか?
A 就寝の約1〜2時間前の入浴は、入浴後の熱放散を促進し、入眠を促す効果が期待できますが、 極端に湯温が高いと、交感神経の活動が亢進し、かえって入眠を妨げる可能性もあります。

サウナは、この「極端に湯温が高い」の側に位置する温度です。 入浴に根拠があることは、そのままサウナの根拠にはなりません。

サウナは、国の資料に出てきません

厚生労働省の「身体活動・運動ガイド2023」「睡眠ガイド2023」で推奨事項として扱われているのは、 運動・睡眠・入浴までです。サウナはそこに入っていません。

国の資料でサウナに触れているのは、消費者庁の事故に関する注意喚起です。 「サウナ浴での事故に注意 ― 体調に合わせて無理せず安全に ―」(2024年6月5日公表)。

事故情報の登録件数
(2024年4月末時点)
78件・受傷者82人
やけど31件
切り傷・擦り傷等24件
骨折・打撲14件

消費者庁のアドバイスは6項目です。

  • サウナ室の出入りでの急な行動に注意する
  • 温度に体を慣らすことを意識する
  • 体調に異変を感じたら、すぐ周囲の人か従業員に知らせる

薬を飲んでいる場合について

向精神薬とサウナの組み合わせについて、公的機関が出している一律の基準は見当たりませんでした。 「危険です」とも「問題ありません」とも、このサイトからは書けません。

確認先は決まっています。処方を出している主治医か、薬を受け取った薬局の薬剤師です。 薬剤師には、処方箋を持っていかなくても相談できます。

聞き方の例:「この薬を飲んでいるあいだ、サウナや長風呂で気をつけることはありますか」

研究のほうには、報告があります

国の健康づくりのガイドに出てこないことと、研究が何もないことは別です。 査読を経た報告は、いくつかあります。

サウナ(フィンランド)

クオピオ虚血性心疾患研究(KIHD)という長期の追跡調査があります。 42〜61歳の男性2,138人(開始時点で精神疾患の既往なし)を 中央値24.9年追跡し、期間中に203件の精神病性障害が記録されました。

サウナの頻度は、週1回が537人、週2〜3回が1,417人、週4〜7回が184人。 頻度が高いグループほど、精神病性障害の発症が少ないという関連が報告されています。

入浴(日本)

日本にも、高齢者を対象にした6年間の追跡調査があります。 冬に浴槽入浴を頻繁に行う人で、新たな抑うつの発症が有意に少なかったと報告されています。 温熱作用による自律神経の調整や、睡眠の改善が関わっている可能性が考察されています。

ただし、そのまま当てはめられません

理由が3つあります。

観察研究ですサウナに行く人と行かない人を比べたもので、 くじ引きで振り分けた試験ではありません。もともと元気な人がサウナに行っている可能性を 排除できません
対象が違いますフィンランドの中高年男性と、日本の高齢者です。 休職中の30〜40代に、そのまま当てはまるとは限りません
見ているものが違いますサウナの報告は精神病性障害の発症、 入浴の報告は抑うつの発症です。同じものを測っていません

だからこのページでは、「こういう報告がある」ところまでを書いています。 厚生労働省が推奨事項として数値を出している 運動や 朝の光とは、確かめられている度合いが違います。

リラックスできることは、資料にも書かれています

「気持ちよかった」は体感の話に見えますが、睡眠ガイドはその中身にも触れています。

入浴により手足の末梢血管からの放熱が促進され、深部体温が低下し入眠が促進される効果に加えて、 自律神経制御系において副交感神経が優位となり、 心身の緊張を緩和するリラクゼーション効果によるものと考えられています。

ぬるめの湯にゆっくりつかると、寝つきも良く、睡眠も深く、主観的な睡眠の質も良くなる、とも書かれています。 「自律神経」も「リラックス」も、公的な資料に出てくる言葉です。

ただし同じガイドは、方法の向き不向きにも触れています。

全ての人に効果が保証されたリラクゼーション法はないということです。 ある人に極めて有効な方法でも、他の人にはむしろ興奮を促し、眠りを妨げる可能性もあります。

合う人と合わない人がいる、というだけの話です。

月に何回まで出せますか

入浴施設の利用料は自費です。週に何回、いくらまでなら続けられるかは家計の話になります。

傷病手当金は給与のおおよそ3分の2で、社会保険料と住民税はそのまま引かれます。 お金を整理するで、毎月の過不足を出したうえで決められます。

確認してください

ここは治療のページではありません。体調そのものの判断と、いつから何を始めるかは主治医の領域です。服薬中に気をつけることは、処方元か薬局の薬剤師にご確認ください。

使える額を、先に決めておく

生活費は7項目に分けて入力できます。毎月の過不足が出ると、続けられる回数が決まります。

お金を整理する

出典

  • 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」良質な睡眠のための環境づくりについて(mhlw.go.jp)
  • 消費者庁「サウナ浴での事故に注意 ― 体調に合わせて無理せず安全に ―」(2024年6月5日公表・caa.go.jp)
  • Laukkanen T, Laukkanen JA, Kunutsor SK. Sauna Bathing and Risk of Psychotic Disorders: A Prospective Cohort Study. Medical Principles and Practice. 2018;27(6):562-569
  • 早坂信哉ほか「高齢者における入浴習慣と抑うつ発症の関連」(日本温泉気候物理医学会雑誌)
  • 主治医、および調剤を受けた薬局の薬剤師

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